ウォーキングやランニング中に記録された高密度EEG からの移動アーチファクトの除去

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Removal of Movement Artifact From High-Density EEG
Recorded During Walking and Running

J Neurophysiol 103: 3526-3534, 2010

ヒトの認知は多くの場合,動的な運動行動の際に発生するが,ヒトの脳動態のほとんどの研究は静的な着席状
態や,伏せた状態で被験者を検討する.EEG 信号は,歴史的にヒトの歩行の際に脳動態を記録できるようにする
には,あまりにもノイズが発生しやすいと考えられてきた.本稿では,我々はウォーキングやランニング中に記
録されたEEG 信号から歩行に関する運動アーチファクトを除去するために,チャネルベースのアーチファクトテ
ンプレート回帰手順とその後の空間フィルタリング手法を適用した.我々は,最初にウォーキングやランニング
をしながらの視覚的オッドボール弁別課題中の,高密度EEG の記録から歩行アーチファクトを削除するために,
ストライドタイムワープを使用した.次に,最大限の独立成分にチャネルベースのノイズが低減されたEEG 信号
を解析するインフォマックス独立成分分析を適用し,その後成分ベースのテンプレート回帰を行った.適用チャ
ネルベースまたはチャネルベースのプラスコンポーネントベースのアーチファクトの除去は,大幅にウォーキン
グやランニング中に1.5 から8.5Hz の周波数範囲でEEG のスペクトルパワーを減少させた.ウォーキング状態で
は,歩行に関するアーチファクトはごくわずかであった.立った状態での視覚的オッドボール弁別課題とほぼ同
一であった事象関連電位は,ノイズ除去を適用した前後に見られた.ランニング状態では,歩行に関するアーチ
ファクトはひどくEEG 信号を損なった.IC プロセスの安定した平均ERP タイムコースはアーチファクト除去後
にのみ検出可能であった.これらの知見は,高密度EEG が全身運動中の脳動態を研究するために使用され得るこ
とを示す.そして,リズミカルな歩行事象からの機械的なアーチファクトは,テンプレート回帰手順を使用して最
小化することができる.

high-density EEG, ERP, movement artifact, ICA, visual oddball discrimination task, walking,running