脳浮腫モデルにおけるモンテカルロとファントム研究

Monte Carlo and phantom study in the brain edema models
Y. Liu,H. Wang,Y. Liu,W. Li,Z. Qian Journal of Innovative Optical
Health Sciences,vol. 10,no. 3,pp.1-11,2017
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“脳浮腫は罹患率および死亡率に重大な影響を与えるため,脳浮腫の過程を効果的に監視する非侵襲的方法を開発することが重要である.脳浮腫が生じる際に脳の光学特性が変化する.本研究の目的は,脳浮腫を測定するための非侵襲的近赤外分光法(NIRS)での監視方法を使用することの可能性と信頼性を得ることである.具体的には,脳脊髄液(CSF),灰白質および白質の水分変化を含む3 つのモデルを調査した.さらに,これらのモデルはモンテカルロ研究によって数値的にシミュレートされた.次に,組織表面上の異なる検出半径で測定された光強度を調べるためにファントム実験を行った.結果,光強度が脳浮腫及び検出半径の条件とよく相関することを示した.簡潔に,3.0 [cm] および4.0 [cm] の検出半径において,光強度は組織パラメータおよび光学特性の変化に
対する高い応答を示した.したがって,NIRS 法によって非侵襲的に脳浮腫を監視することが可能であり,光強度は脳浮腫を評価するための信頼できる単純なパラメータである.”

脳浮腫モデルにおけるモンテカルロとファントム研究

Monte Carlo and phantom study in the brain edema models
Journal of Innovative Optical Health Sciences,Vol.10, No.3, pp.1650050,2016
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脳浮腫は罹患率および死亡率に重大な影響を与えるため,脳浮腫の過程を効果的に監視する非侵襲的手法を開発することが重要である.
脳浮腫が発生した時,脳の光学的性質が変化する.
本研究の目的は,脳浮腫を測定するための非侵襲性近赤外分光法(NIRS)の観察法の実現する可能性と信頼性を評価することである.
具体的に,脳脊髄液(CSF),灰白質および白質の水分変化を含む3つのモデルを調査した.
さらに,これらのモデルはモンテカルロ研究により数値的にシミュレートされた.
次に,組織表面上の異なる検出半径で測定された光強度を調べるためにファントム実験を行った.
結果は光の強度が脳浮腫の状態および検出半径の条件とよく相関することを示した.
簡単に説明すると,3.0cmおよび4.0cmの検出半径において,光強度は組織パラメータおよび光学特性の変化に対して高く反応した.
したがって,NIRS法により非侵襲的に脳浮腫を観察することが可能であり,光強度は脳浮腫を評価するための信頼できる単純なパラメータである.

拡散MRI の検証のためのバイオメティックファントム

Biomimetic Phantom for the Validation of Diffusion Magnetic Resonance Imaging
Magnetic Resonance in Medicine, vol. 73, no. 1, pp. 299-305, 2015.
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目的:拡散MRIの高範囲で拡散テンソル画像法(DTI)を用いた白質線維の配向性を特徴付ける技術が現在開発されている.手法検討の手助けとなる脳白質の微細構造の特徴を模した物理的なファントムが必要である.方法:中空糸,電界紡糸,などサイズ分布が調節可能な整列された線維が大量に生産され,管孔内にMRで可視化出来る溶液が満たされた.ファントムの形態やサイズはSEMと臨床時や臨床前のスキャンによって得られたDTIの結果より評価された.結果:ファントム線維の内径を変化させることで(SEM:9.5mm,11.9mm,13.4mm),DTIから算出されるFA値や放射状拡散の数値において,FA値では0.330.04から0.450.05の間で,放射状拡散の数値においては0:380:05103から4:610:06103cms??1の間で変化した.結論:我々はこれらのファントムを拡散MRI分野における新規手法や既存手法の検証のために使用することと同様に,プログラム手順の品質保証を目的とし,他施設の試験におけるスキャン性能の確立を想定する.

確率的トラクトグラフィーとグラフ理論解析を用いた注意欠陥・多動性障害を伴う薬品未投与の患者の白質形 態の統合性異常の解明

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Analysis Reveal Abnormal White Matter Structural
Connectivity Networks in Drug-Naive Boys with
Attention Deficit/Hyperactivity Disorder

The Journal of Neuroscience, vol.33, no.26, pp.10676-10687, 2013

不注意と多動性の症状を特徴とした注意欠陥・多動性障害は幼少期の最も一般的な神経障害のひとつである.こ
れらの行動の障害は脳領域間の異常な機能的結合に関連することを脳イメージングの研究は示してきた.しかし
ながら,これらの行動的,機能的欠陥の基礎となる構造的結合の変化はまだ理解に乏しい.本論文では,30 名の
ADHD 児と30 名の健常人の全脳白質形態の統合性を検討するため,拡散磁気共鳴画像法と確率的トラクトグラ
フィーを用いた.ヒトの脳の白質ネットワークは確率的に領域間の結合を推定することによって構築された.ス
モールワールド性やネットワークエフェシエンシーなどの結果として生じるネットワークのトポロジカルな特徴は
グラフ理論的なアプローチを用いて解析された.これらのグラフマトリックスのグループ間の比較にはノンパラ
メトリックな順位検定が適用された.その結果,ADHD と統制群の両方ともが全脳白質ネットワークにおいて効
率のよいスモールワールド性を示し,構造的な分離と統合の結合パターン間のバランスを示唆した.しかしなが
ら,統制群と比較してADHD グループは低いグローバルエフィシエンシーと高いショーテストパスレングスを示
した.特にエフィシエンシーの低下は左の頭頂,前頭,そして後頭の皮質において顕著であった.興味深いこと
に,ADHD グループは前頭優位回路の構造的結合の低下と眼窩線条体回路の結合の増加を示した.そして,これ
らの変化には不注意と多動性・衝動性の症状とそれぞれ有意な相関があった.本研究ではADHD 患者の白質ネッ
トワークのトポロジカルな組織の崩壊を示し,ADHD 患者の構造的障害の基礎となる神経回路の構造的分裂に関
する理解を広げる

Default Mode Network におけるResting-State の構造的結合と機能的結合の影響

Resting-state functional connectivity reflects structural connectivity in the default mode network
Cerebral cortex. 2009, vol. 19, no. 1, p. 72-78.

Resting-stateのfcMRIの研究は脳機能イメージングの出版数の増加をもたらしている.このアプローチは,スキャナ内で安静状態の被験者の自発的なBOLD信号の時間的相関関係を調査する.Resting-stateの視覚や言語,執行処理,その他の感覚や認知領域に関連した距離に関するネットワークは同定されているが,Resting-stateの機能的結合の分布が神経の結合を反映するのか,単に神経以外のアーチファクトによってBOLD信号の相関が得られたのかは未解明のままである.ここで,Resting-stateの機能的結合は,構造的な結合性を反映しているという仮説をテストするために,DTIを用いて追跡したものとResting-stateのfcMRIを組み合わせた.これらの2つのモダリティはDefaultModeNetworkにおける内側前頭前皮質(MPFC)と,内側側頭葉(MTLS),後部帯状皮質(PCC),またエピソード記憶処理に関与するRetropslenia皮質(RSC)を含む脳領域の結合性を調査するために使用された.機能的結合マップからseed領域を用いて,DTI解析はMTLsと膨大後皮質の間に強い構造的結合があり,MPFCがPCCに連絡していることを明らかにした.この結果より,Resting-stateの機能的結合と構造的結合の関係と,2つのモダリティの組み合わせは,脳の標準的なネットワークの理解に貢献することを示した.

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脳ネットワークの調査:レスティングステイトfMRI の機能的結合に関する総説

Exploring the brain network: A review on resting-state fMRI functional connectivity

我々の脳はネットワークである.脳は空間的に区分された構造で成り立っているが,お互いに連続的に情報の共有をする領域間で機能的に結合している.興味深いことに,近年の脳機能イメージングデータ解析の発展によって,脳の機能的結合の調査が促進している.機能的結合は構造的に解離している領域の神経活動パターンの時間的依存と定義され,脳領域間のレスティングステイトfMRIにおける協調した活動のレベルを計測することによって機能的結合の研究が増加してきた.これらの先行研究によって,特定領域と局所ネットワークの機能的結合についてや脳ネットワークにおける機能的連絡の全体的な構成についての新たな知見が発見された.本稿では,新たな解析手法の紹介とこれらのイメージング技術の概要を提示しながら,人間の脳のコアとなる新たな見識がどのように導かれたのかを議論する.どのように脳ネットワークの機能的結合と構造的結合が関係するのか,どのように機能的連絡が認知パフォーマンスのキーを形成するのかについて決定する,無意識的なレスティングステイトfMRIの方法についてに記す.また,機能的脳ネットワークの全体的な構成に焦点をあてたグラフ理論を用いた機能的結合パターンの解析について論じる.特に,アルツハイマー病や認知症,統合失調症,多発性硬化症のような機能結合による新たな指標について記す.

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