感情的な残遺症状の有無に関わらず寛解したうつ病患者におけるN-Back 課題時のデフォルトモードおよびタス クポジティブネットワークのコネクティビティ

Default Mode and Task-Positive Networks Connectivity
During the N-Back Task in Remitted Depressed Patients
With or Without Emotional Residual Symptoms
HUMAN BRAIN MAPPING,Vol.38,Lssue.7,3491-3501,2017
20170718 sishida

うつ病の臨床的寛解は感情的な残胃症状と関連している可能性がある.私たちは感情的な鈍化,寛解したうつ 病患者におけるニューラルネットワークのダイナミクスでの反芻,そしてN-Back 課題時の認知能力について研究 した.うつ病を寛解した26 人の外来患者(ハミルトン抑うつ評価尺度スコア<7)はf MRI 計測中にN-Back 課 題を実施した.全ての患者は最低4ヵ月間パロキセチンの治療を受けた.二つの患者のサブグループ[非運動的鈍 化(NEB)=14 人と感情的鈍化(EB)=12 人]が決定した.被験者間での機能的ネットワークマップを特定す るために,独立成分分析を用いたネットワーク検出が採用された.タスクポジティブネットワーク(TPN)とデ フォルトモードネットワーク(DMN)との間のコネクティビティが評価され,N-Back タスクおよび反復におけ るパフォーマンスの変動性に関連していた.EB およびNEB 患者はN-Back 課題における正確な反応のレベルの 違いはなかった.しかしながら,ワーキングメモリ課題全体にわたって,DMN とTPN の間の負の相関はNEB 群よりもEB 群で有意に低く,認知能力や反芻に異なって関連していた.DMN とTPN との間の負の相関が強い ほど,NEB 患者の3-Back 課題時の反応時間の変動が少なかった.さらに,DMN とTPN との間の負の相関が大 きいほど,EB 患者における反芻値は低かった.感情的な鈍化はDMN とTPN との間の変化した協力を介して退 院したうつ病患者の反芻および認知機能のモニタリングを損なうことと関連する可能性がある.この研究は,う つ病の臨床的寛解が生物学的異質性と関連していることを示唆している. depressive disorder, neural networks, fMRI, working memory, task performance

2 型糖尿病患者のワーキングメモリ関連ネットワークにおける脳活性化と機能的コネクティビティの変化: ICA に基づく解析

Altered brain activation and functional connectivity in working memory related networks in patients with type 2 diabetes: An ICA-based analysis Title
Scientific reports, Vol.6, 1–11, 2016
20161219 rhagiwara

2 型糖尿病(T2DM)は,多次元認知障害を引き起こす可能性があり,そのうちワーキングメモリ(WM)は 通常早期に関与する.しかしながら,T2DM 患者における WM の障害の根底にある神経基盤は,依然として不 明である.この問題を明確にするために,T2DM 患者を WM ネットワークにおける脳活性化および機能的コネ クティビティ(FC)の変化を評価し,機能的磁気共鳴画像法(fMRI)と独立成分分析を利用して,認知および臨 床変数との関連性を決定した.20 人の合併症のない T2DM 患者と 19 人の一致した健常対照(HC)が登録され, fMRI データはブロック設計された 1-back の WM タスク中に獲得された.T2DM 患者の WM 行列は,T2DM 患 者のわずかに低い精度を除いて,HC と比較して差異を示さなかった.HC と比較して,T2DM 患者は WM の前 頭-頭頂ネットワークにおいて活性化が増加し,活性強度は WM パフォーマンスと有意に相関であることを示し た.T2DM 患者は WM ネットワーク内および WM ネットワーク間で FC が減少することを示した.我々の結果 は,WM サブネットワークにおける機能的統合が T2DM 患者では中断され,前頭-頭頂ネットワークにおける局 所活性の強化が T2DM によって引き起こされる WM 障害を補う可能性があることを示している.

成人の ADHD 患者におけるワーキングメモリ課題中の前頭前野の活性減少:fNIRS の研究

Reduced lateral prefrontal activation in adult patients with attention-deficit/hyperactivity disorder (ADHD) during a working memory task: A functional near-infrared spectroscopy (fNIRS) study
Journal of Psychiatric Research,Vol.42,pp.1060-1067,2008

20160627_ttamaki

近赤外分光法 (NIRS)は生体内の皮質組織における酸素化ヘモグロビンと脱酸素化ヘモグロビンの濃度の変化を 測定する光学的撮像法である.本研究では,私たちはワーキングメモリ(N-back)の遂行中の多チャンネル NIRS を用いることにより,13 人の成人の ADHD 患者に対して,年齢と性別を適応させた 13 人の健常者対照群との 比較実験を行った.健常者対照群と比較すると ADHD 患者は,VLPFC 上に位置する NIRS チャンネルにおける N-back 課題の遂行時の活性の減少を示し,タスクに関連した酸素化ヘモグロビンの濃度の増加の減少が見られた. この発見は,高い作業負荷(2back)で特に顕著にみられた.そして患者群におけるオミッション・エラーの増加 に対して,統計的な傾向があった.以上のデータから,これまでの ADHD 患者におけるワーキングメモリ障害や 前頭前野の機能不全の所見の裏付け,及び,撮像結果とワーキングメモリの機能モデルの観点から議論する.

Working Memory,N-back task,VLPFC,ADHD,fNIRS

ワーキングメモリ,感情処理及びレスティングステイト中の fMRI に基づくグラフ理論的性質の試験・再試験信 頼性

Test-retest reliability of fMRI-based graph theoretical properties during working memory, emotion processing, and resting state
NeuroImage, Vol.84,888–900, 2014

機能的核磁気共鳴画像法(fMRI)とグラフ理論解析を用いた脳コネクトームの研究が最近人気を得ているが, 特にアクティブ fMRI タスク由来のロバスト性についてはほとんど知られていない.そこで,3 つの確立された fMRI 実験(n-back ワーキングメモリ,感情的な顔照合,レスティングステイト)における 26 名の健康な参加者 から計算された脳のグラフにおける試験・再試験信頼性を研究し,ノード定義(AAL アトラス,Power らによる 機能的アトラス)の 2 つの分割案を提案した.5 つの異なるデータ処理方法のクラス内相関係数(ICCs)を比較 し,状態固有の回帰子であるタスク回帰の優れた信頼性を実証した.タスク間の比較は,アクティブなタスクと相 対的にレスティングステイトが有意に高い ICCs と全体的および局所的なネットワーク特性の顔照合タスクと相対 的な n-back タスクが有意なことを明らかにした.平均 ICCs は一般的にアクティブタスクで低い一方,全体的な 公正な良好な信頼性は全体的および局所的コネクティビティ特性と,両アトラスとスモールワールド性が検出さ れた.すべての 3 つのタスクおよびアトラスにおいて,低い平均 ICCs は局所的なネットワーク特性がみられた. しかし,ノード特有の良い信頼度は,検証された機能(レスティングステイト:デフォルトモードネットワーク のノード,n-back:前頭-頭頂のノード,顔照合:辺縁系のノード)において重要だと知られている領域における ノードの degree 検出した.アトラス間の比較は,全体的および局所的なネットワーク特性における機能的分割の 信頼性が有意に高いことが実証された.結果は,アクティブタスクを使用した fMRI 研究における処理方法,脳ア トラスや結果特性の選択やグラフ理論方法や特に将来の薬理的 fMRI 研究における被験者間のデザインを知らせる ことが可能となる

n バックのワーキングメモリ課題中の統合失調症患者における広範囲な前頭前野の活動の減少 :多チャンネル NIRS の研究

Reduced but broader prefrontal activity in patients with schizophrenia during n-back working memory tasks : A multi-channel near-infrared spectroscopy study
Journal of psychiatric research, Vol.47, No.9, pp.1240-1246, 2013
20160413harada

背景:背外側(DLPFC)と腹外側(DLPFC)前頭前野を含む前頭前野の尾側領域は,ワーキングメモリといっ た重要な認知機能に関与している.対照的に,前頭極皮質(FPC)といった,より吻側の領域は,認知機能の中 で統合機能を有し,これにより,実世界の社会的活動に決定的に寄与している.以前の機能的磁気共鳴イメージ ング研究では,健常者と比較して,統合失調症患者が認知的負荷の変化に対応して異なる DLPFC の活動パター ンを持つことを示した.しかし,尾側および吻側前頭前野の活性における空間的関係は無制約条件下で評価され ていない.

方法:26 人の統合失調症患者および 26 歳の発病前の知能に一致した健常者がこの研究に参加した.異なる認知 負荷で n バックのワーキングメモリ課題時の血行動態変化は,多チャネルの近赤外分光法(NIRS)を用いて測定 された.

結果:健常者群は,両 VLPFC における課題に関連する重要な活性と DLPFC における課題に関連する重要な 不活性を,課題がより認知機能を要求するときにより大きな信号変化を伴うことで示した.対照的に,統合失調症 患者は,両 DLPFC と FPC を含む,より吻側の領域で活性化を示した.認知機能の発生する上昇割合において, 不活性でもなければ活性でもない.

結論:この多チャンネル NIRS の研究では,活性化の強度は,認知機能の変 化を伴う統合失調症患者において上昇しなかったことを実証し,統合失調症における認知障害として前頭葉の機 能低下が示唆される.

機能的ネットワークのモジュラリティによる個人間と個人内のワーキングメモリ容量の変動の予測

Functional Brain Network Modularity Captures Inter- and Intra- Individual Variation in Working Memory Capacity
PLoS ONE, Vol.7, No.1, e30468
20151029sobuchi

背景:ワーキングメモリのような認知機能は人によって異なる.しかしながら,個々の認知パフォーマンスも日によって変化する.認知可変性の一つの原因は神経システムの機能的組織における変動かもしれない.最適化された機能的ネットワークの組織の度合いは,個々の効果的な認知機能に関連している可能性がある.本論文では,レスティングステイトfMRIによって計測されたラージスケールネットワークの組織がどのように変化するか,そしてグラフ理論追跡はワーキングメモリ容量を変化するのかを検討する.
手法と結果:22名の被験者はワーキングメモリ容量を計測し,レスティングステイトfMRIを行った.17名は同じ実験を3週間後に行った.34の脳領域においてネットワーク組織を計測するため,グラフ理論を用いた.サブネットワークの統合性と分離性の度合いを示すネットワークモジュラリティとネットワーク結合の効率性を示すスモールワールド性は,個人の記憶容量の違いを予測した.しかしながら,モジュラリティのみ2セッション間の個人内の変動を予測した.セッション間で安定しているワーキングメモリのコンポーネントを制御する偏相関係数分析は,モジュラリティが各セッションのワーキングメモリの変動性とよく関連していたことを明らかにした.特定のサブネットワークと個人の回路の解析は,ワーキングメモリの変動性を明確に説明することはできなかった.
結論:レストで計測された認知制御ネットワークとして定義された機能的組織は,実際の認知パフォーマンスについての情報を反映していることを結果は示している.個人のワーキングメモリ容量の変動性に対するネットワークモジュラリティの関連性は,信号の調整あるいはノイズ伝達の抑制を通して,モジュール内の高い結合とモジュール間の疎な結合が脳領域間の効果的な信号伝達を反映する可能性があることを示している.

n-back ワーキングメモリパラダイム:標準的脳機能イメージングの研究のメタ解析

N-backworkingmemoryparadigm:Ameta-analysisofnormativefunctionalneuroimagingstudies

Neuroscience, Volume 25, Issue 1, pages 46201359, May 2005

20150718khanawa

ワーキングメモリにおける脳機能イメージングの研究の最も人気ある実験の一つは、nバック課題です。それは、被験者が口頭または非言語の一連の刺激または位置を観測し、現在提示されている刺激がn個前の刺激と同じかどうか指示することを求められます。我々はワーキングメモリの内容とプロセスを操作する異なるnバック課題の主要な24の研究によって報告されたタライラッハ空間内の活性した座標の668組の定量的メタ解析を行いました。次の皮質領域が確実に活性化された(偽発見率=1%)ことがわかりました。:横方向の運動前野;背側帯状回と内側運動前野;背外側と腹外側前頭前皮質;前頭極;内側と外側後部頭頂皮質;一次データの適切なサブセットに基づいた本稿のメタ解析は言語刺激と非言語刺激とその両方の同一性観測のための活性パターンの幅広い類似を示しました。異なる課題の反応において、個別の前頭頂の活性パターンにおけるいくつかの証拠もありました。一般的な広範囲の前頭頭頂系における主要な皮質成分のそれぞれの機能局在が議論されています。我々は定量的なメタ解析がタライラッハ領域で報告されている複数の主要な研究の成果を結合するための強力なツールになりうると結論づけています。本稿では、nバック課題のワーキングメモリの枠組みの様々なバージョンによって前頭葉と頭頂皮質領域の広く一貫した活性化とワーキングメモリにおける前頭頭頂の活性化の両方の証拠を提供します。

meta-analysi, working memory, n-back task

高機能自閉症におけるfMRI のワーキングメモリタスクでの機能的結合

Functional connectivity in an fMRI working memory task in high-functioning autism
NeuroImage, Volume 24, Issue 3, 1 February 2005, Pages 810-821

fMRI の研究は、文字でのn-back ワーキングメモリタスク中のグループ全体と言語IQ および年齢を別にしたグ
ループと比較した自閉症グループの高次脳活動の計測に使用された.行動結果は同等の成績を見せたが,fMRI の
結果は自閉症の成人は視覚信号を使用する可能性があるが,通常の統制群はタスクを実行するために言語的信号
を使用している可能性が示唆された.自閉症グループは前頭前野と頭頂領域において右側に偏った活性を示した
のに対し,統制群は右側の頭頂領域よりも左側でより活性を示した.自閉症グループもまた統制グループよりも下
側頭回と後頭葉を含む背側領域においてより活性した.機能的結合の解析では異なる半球の相関関係を持つ2 つ
のグループについて同様のパターンが得られた.自閉症グループでは右頭頂領域で強い相関が見られたのに対し,
統制グループでは前頭前皮質における活性の時間波形は,左頭頂部とより強い相関を示した。

20150609 taki

ドーパミン,ワーキングメモリ,柔軟性を促すトレーニング:進展した研究に向けた推論

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Dopamine, Working Memory, and Training Induced
Plasticity:Implications for Developmental Research

Developmental Psychology, Vol 48(3), May 2012, 836-843

認知の欠損,特にワーキングメモリ容量の欠損は現在,神経科学の障害において注目されている.ワーキング
メモリ容量のの改善の根底のメカニズムを理解することはとても重要である.多くの研究で,ドーパミンはワー
キングメモリ機能だけでなく,ワーキングメモリ容量の改善においても重要な役割をしているとされている.例
えば薬理学では,ワーキングメモリ容量改善において,メチルフェニデートなどがドーパミン作動性に作用する.
さらに,行動学では,ワーキングメモリのパフォーマンスの改善のための,集中的な機械的トレーニングは,ドー
パミン受容体の密度と関連しているとされる.これらの薬理学的,行動学的なワーキングメモリパフォーマンス
の改善方法は,ドーパミン作動性システムを含む,脳の生物学的メカニズムと関係している.本稿では,ワーキ
ングメモリ機能におけるドーパミンの役割を,特にワーキングメモリ進展と認知柔軟性に関連させながら述べる.
新しいデータは,認知トレーニングをしている幼稚園児のワーキングメモリの改善を表す.我々の結果は,認知の
柔軟性において,、ドーパミンが重要な役割をしていることを支持している.

成人を対象とした脳のトレーニング:記憶期間成績の転送に関する証拠および偽りマシュー効果

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Brain training in older adults: Evidence of transfer to
memory span performance and pseudo-Matthew effects

本研究では,任天堂DS 脳教育プログラムを使った「脳の訓練」の効果を2 グループにおいて検証した.その2
グループのうち,訓練グループでは6 週間任天堂DS を定期的に使うことを求められ,もう一方のグループであ
るコントロールグループと比較された.これらのグループにおける年齢,教育,コンピュータ経験,毎日の活動,
ウェクスラー成人知能検査の初期のスコアはそれぞれ一致していた.分析により,数字スパンテストでの主な改善
が見られた.脳のトレーニングによりいくらかの影響があることは明らかであったけれども,生活や認知機能の
質などの他の要因がトレーニング結果に何らかの影響があることが考えられる.認知機能のトレーニングに関す
るこれらの結果は議論の余地がある.

Neuropsychology and Cognition, 2012, 19 (1-2), 195-221